畳の張り替えは、見た目の改善だけでなく、室内環境や生活の快適性を保つ上で重要な役割を果たします。
そのため、正しいタイミングを知らなければ劣化が早くなり、メンテナンスコストがかかる可能性が高くなるので注意が必要です。
そこで本記事では、正しく畳をメンテナンスができるように張り替えの時期について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
畳の張り替え時期
張り替えには「新調」「裏返し」「表替え」の3つの方法があります。
それぞれの適したタイミングを理解すると、和室を美しく保てるようになります。
新調
畳全体を交換する方法が新調です。
新調のメリットは、和室が新築同様に美しくなる点が挙げられるため、長期間使用して畳が変形したり、異臭が発生したりする場合に適しています。
しかし、新調は他の方法に比べてコストが高く、作業時間が長くなりがちです。
そのため、畳を新調する場合は予算や時間に余裕が必要です。
裏返し
畳表を裏側にして再利用するのが裏返しです。
使用開始から3〜5年ほどでおこなうのが目安です。
裏返しのメリットは、新調よりも低コストで和室をリフレッシュできる点が挙げられます。
しかし、畳表を再利用するため、裏面が汚れや傷が進行している場合には十分な効果を得られない可能性が高いです。
表替え
畳床はそのままにして畳表だけを交換するのが表替えです。
使用開始から5〜10年でおこなうのが目安です。
表替えのメリットは裏返しと同様、新調よりも低コストで和室をリフレッシュできる点が挙げられます。
しかし、畳床が劣化しているにも関わらず表替えをおこなうと、数年後に再度張り替えが必要になるため注意が必要です。
当社の畳張り替えについては「畳張替え・障子・ふすま張替え」をご覧ください。
畳の部位について
畳は「畳表」「畳床」「畳縁」の3つの部位から構成されています。
それぞれの役割と特徴を理解すると、適切な張り替え方法や時期を選びやすくなります。
畳表
畳表は畳の表面部分で、和室の見た目や触り心地を左右する重要な部分です。
主な役割は、美観の維持、快適な感触の提供、湿度調整です。
伝統的なイグサ素材は柔らかく爽やかな香りが特徴で、特に湿度の高い季節に適しています。
一方、和紙表や樹脂表は耐久性が高く、カビやダニを防ぐ効果があり現代住宅にも最適です。
畳床
畳床は畳全体の芯材で、耐久性や弾力性を支える役割を担っています。
伝統的なわら床は柔らかい足触りが魅力ですが、湿気に弱いです。
一方、インシュレーションボードを用いた畳床は耐久性が高く湿気への耐性もあるため、現代の住宅で広く使用されています。
畳縁
畳縁は畳の縁を覆う布で、畳の固定とデザイン性の両方を担っています。
デザインが豊富なので、部屋の雰囲気を変えたい場合には畳縁の交換がおすすめです。
綿素材を用いた畳縁は柔らかく伝統的な和室に調和しますが、高価で日焼けによる変色が起きやすい短所があります。
一方、ナイロン素材の畳縁は耐久性が高くカビや汚れに強い特性がありますが、熱に弱いという欠点があります。
畳の張り替えをしないとどうなるの?
以下に畳の張り替えを怠ると、どんなリスクがあるのかを説明します。
ささくれが発生する
古い畳表は、長期間の使用や摩耗によりささくれが発生します。
ささくれた部分は尖っているため、子どもやペットが触れると皮膚を傷つける可能性が高いです。
また、畳がささくれていると快適さが損なわれるだけではなく、見た目が悪くなるので家全体が古びた印象になります。
ダニが発生する
畳は繊維が緩むと湿気を吸ってしまい、ダニやカビが繁殖しやすくなります。
ダニは鼻水やくしゃみ、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こす可能性が高いです。
また、カビが発生すると室内に悪臭が漂ってしまうので、不快感の中で生活しなければいけなくなります。
畳の張り替えに適した季節
畳の張り替えは季節ごとの特徴を考慮すると、仕上がりがキレイになったり作業がしやすくなったりします。
以下に、季節ごとのメリットデメリットについて説明します。
春
春は新生活が始まるタイミングと重なり、和室をリフレッシュするのに最適です。
乾燥しすぎず湿度が程よいため、畳が縮んだり波打ったりするリスクが少ない点がメリットとして挙げられます。
一方で、引っ越しやリフォームの需要が増える時期でもあるため、業者が忙しく希望の日程が取りづらい場合があります。
夏
夏は湿気が多い季節ですが、梅雨明け後の7月から8月にかけては比較的乾燥するためおすすめです。
ただし、デメリットとしては湿度が高い梅雨時期には畳が十分に乾燥しづらく、カビの発生やダニの繁殖を招く恐れがあります。
秋
秋は1年の中で最も湿度が安定して低く、気温も穏やかなため、畳替えには理想的な季節です。
特に乾燥する10月頃は、畳の状態を維持しやすかったり、気候が穏やかで作業も快適におこないやすかったりします。
ただし、秋は台風が多い時期でもあり、大雨による湿気でカビやダニの発生する場合もあるので注意が必要です。
冬
冬は乾燥しており湿気によるトラブルが少ないため、畳の張り替えに適しています。
特に11月から12月初旬の寒さが厳しくなる前は、おすすめのタイミングです。
ただし、冷え込みが厳しい1月から2月は、作業者が快適に作業をおこなうための暖房の活用が必要です。
また、日照時間が短いため、作業時間を確保するための計画も重要になります。
畳の張り替え時期を判断する方法
以下に畳の張り替え時期を正しく判断する方法を紹介します。
色の変化
畳表が黄色や茶色に変色している場合、畳の張り替えサインです。
変色は、イグサの繊維が紫外線や摩耗によって発生しやすいです。
劣化した畳表は本来の柔らかさや強度を失い、触り心地や見た目が悪くなるだけでなく、湿度調整の効果も低下します。
そのため、色の変化を確認したら、表替えや裏返しおこなうと和室の機能性と美観を保てます。
傷やささくれが多い
畳表に傷やささくれが目立つ場合は、表替えや新調を検討するべきです。
傷の発生は、家具の移動や日常的な使用による摩耗が原因です。
ささくれが放置されると見た目が悪くなるだけでなく、ささくれた部分が肌に触れてケガをする危険性もあります。
また、傷やささくれが多い畳は耐久性が著しく低下しており、ダニやカビが発生するリスクも高まるため早めの対処が必要です。
歩いた時の感触
畳床が柔らかくなっている場合、新調が必要です。
畳床は畳全体の耐久性を支える部分であり、柔らかくなったり沈み込む感触がある場合は、芯材が劣化している可能性が高いです。
芯材が劣化していると畳の強度が十分に保たれておらず、床材の損傷や見た目の悪化につながるため、早急に張り替えを計画しましょう。
まとめ
畳の張り替えは見た目の改善だけでなく、室内環境の健康維持や快適な生活空間を保つために欠かせない作業です。
そのため、適切なタイミングで張り替えると、カビやダニの発生を防ぎリフォームコストの増加を抑えられるようになります。
今回紹介した張り替えの種類や時期の判断基準を参考に、畳のケアを計画的におこない快適な生活を楽しみましょう。
*K*
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